「遺骨ダイヤ」や「宇宙葬」まで...。終活を再定義する『Deathフェス』が斬新すぎた

「よい死の日」である4月14日に合わせ、東京・渋谷では4月12日から17日まで、「死」をもっとオープンに捉え考えるためのイベント「Deathフェス(デスフェス)」が開催されている。
第2回Deathフェスが開催
第2回Deathフェスが開催
Yuko Funazaki

「よい死の日」である4月14日に合わせ、東京・渋谷では4月12日から17日まで、「死」をもっとオープンに捉え考えるためのイベント「Deathフェス(デスフェス)」が開催されている。

「死」にまつわる話題は何かとタブー視されがちだが、「Deathフェス」は「死をもっとポップに、終活を再定義する」場として、死の多様な側面をテーマに様々な展示やトークショーを行っている。

初日の12日には、「自分らしい死」を表現した髪飾りアート「ヘッドドレス」を身につけた参加者らがステージをパレードし、イベントの開幕を華やかに盛り上げた。

展示ブースには、遺骨を入れたカプセルをロケットに搭載し宇宙へ打ち上げる「宇宙葬」や、遺骨を土へ還りやすく加工し森林の土中に埋葬、自然との循環を促す「循環葬」、遺骨中に含まれる炭素から作る合成ダイヤモンドなど、たくさんのユニークな提案が数多く紹介されている。

オシャレな棺桶の「入棺体験」や、棺の中の死者を華やかに飾る「エンディングドレス」や「エンディングベール」などの試着をすることもできる。

最期を華やかに飾る「エンディング」ドレスなども展示された
最期を華やかに飾る「エンディング」ドレスなども展示された
Yuko Funazaki

会場には、ふらっと立ち寄ったという高齢男性から、「自死」について研究する大学院生まで、子どもから高齢者まで多くの人が訪れていた。

終活に興味があり来場したという50代の女性は「両親を看取って、自分の準備を考えています」と話した。50代とまだ若いが、母親が60代で亡くなっており、自分の残りの時間を考えるようになったという。展示の中ではメッセージや思いを残すサービスが気になったといい、「亡くなった親にもっと聞いておきたいことがあったし、今子どもに全てを伝えられているとは思わないし、伝えてもきっと今は真剣に聞いてもらえないので」と語る。

Deathフェス共同代表の市川望美さん(左)と小野梨奈さん(右)
Deathフェス共同代表の市川望美さん(左)と小野梨奈さん(右)
Yuko Funazaki

デスフェス共同代表の市川望美さんはイベントについて、「死を考えるのは不吉とか、一部の人のためだけとかではなく、ここにいる全員がいつか絶対当事者になることです。死はちょっと怖いけど、エンディングドレスは興味があるという人もいるかもしれないので、なるべくいろんな入り口を設けて、それぞれの出会い方をしてもらいたい」と語る。

「今までの葬送が時代に合わなくなってきたり、デジタルの時代において考えなくてはいけないことも多くあります。だからみんなで違和感やアイデアを持ち寄って、必要なものは残し、いらないものは変えていく、そのようにしてみんなでアップデートしていく機会になればいいなと思っています」

イベント期間中には他にも、地獄VRなどの没入型ワークショップから、ペットロスや臓器提供、お金にまつわるトークセッションなど、68のコンテンツが展開される。

1回目となった昨年2024年のイベントには、10代から90代まで来場者は2000人を超えた。今年はスペースもプログラムもさらに拡充されている。

【Deathフェス詳細】
日程:2024年4月12日(土)〜4月17日(木)11:00-20:00(最終日の17日は18:00終了)
会場:東京・渋谷ヒカリエ 8F 「8/」COURT・CUBEほか
チケット:無料(一部有料プログラムあり)
予約:無料チケット予約はこちらから ※当日現地で受付も可能
イベントwebsite: https://deathfes.jp/

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