雷でサッカー部員ら6人が搬送。部活動中の事故対策は?人に落雷しやすい場所とは?

奈良市の学校のグラウンドに雷が落ち、サッカー部の生徒ら6人が搬送された。部活動中の落雷対策はどうすればいいのか。

4月10日午後、奈良市の学校のグラウンドに雷が落ち、部活動などをしていた中高生6人が病院に搬送された。

部活動中の落雷対策はどうすればいいのか。また、近くに避難する場所がなければどうすればいいのか。日本サッカー協会(JFA)や気象庁の資料をもとにまとめた。

サッカー活動中における落雷事故防止対策

NHKによると、10日午後6時前、グラウンド近くにいた人から「複数の生徒が雷に打たれた」と警察に通報があった。

当時、グラウンドではサッカー部が活動しており、同部に所属する男子中学生1人が意識不明の状態。顧問は警察に「急に雨が強くなり、いきなり雷の音がして生徒たちが倒れた」と話しているという。

部活動中の落雷事故を巡っては、JFAがネット上で、「サッカー活動中における落雷事故防止対策について」という資料を公表している

原則として、①危険・兆候が確認されたら公式戦・練習にかかわらず躊躇なく中止すること②周辺で雷注意報・兆候がある場合、専門的なウェブサイトで常時天候情報を確認することーーの2点を挙げ、気象情報や避難場所の確認方法のほか、中断からの再開基準(雷が止んでから20〜30分以上経過)などを記載。

雷に打たれると、心肺停止、やけど、意識障害、鼓膜穿孔(鼓膜がやぶれ ること)の症状の可能性があるため、万が一の時は救急車が到着するまでの間、心肺蘇生法ややけどの手当てなどを施すように求めている。

Photo taken in Tokyo, Japan
Photo taken in Tokyo, Japan
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近くに安全な空間がない場合は?木から何メートル離れればいい?

また、気象庁は雷について、「雷鳴が聞こえるなど雷雲が近づく様子があるときは落雷が差し迫っています」発信。雷は海面、平野、山岳など至る所で落ち、高いものを通って落ちる傾向があるという。

例えば、グランド、ゴルフ場、屋外プール、堤防、砂浜、海上などの開けた場所や、山頂や尾根などの高い所では「人に落雷しやすくなる」ため、できるだけ早く安全な空間に避難するよう呼びかけている。

避難する場所は、鉄筋コンクリート建築、車、バス、列車の内部は比較的安全で、木造建築の場合は全ての電気器具、天井・壁から1メートル以上離れればさらに安全としている。

なお、近くに安全な空間がなければ、電柱、煙突、鉄塔、建築物など「高い物体のてっぺんを45度以上の角度で見上げる範囲」で、「その物体から4メートル以上離れたところ」に退避する。

高い木の近くは危険で、最低でも木の全ての幹、枝、葉から2メートル以上は離れなければならない。姿勢を低くし、持ち物は体より高く突き出さないようにした上で、雷の活動が止んで20分以上経過してから安全な空間へ移動する。

落雷地点の近くで座ったり、寝ころんでいたりしていると、地面に接触している体の部分にしびれや痛み、やけどが発生し、歩けなくなることもあるという。

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