
2023年に亡くなった歌手の八代亜紀さんのヌード写真入りベストアルバムの発売に対し、「故人の尊厳を踏みにじる行為」など批判が高まっている。
問題になっているのは、4月21日に発売予定の「八代亜紀 お宝シリーズ第一弾 忘れないでね」だ。「舟唄」「雨の慕情」など、八代さんの代表曲が収録されている。
発売元のニューセンチュリーレコードはこのアルバムについて、「八代亜紀が24〜25歳の時に同棲していたT社のNディレクターによってポラロイドカメラで撮影されたフルヌード写真2枚が掲載されています」と説明している。
ただし、亡くなった人の肖像権は原則として認められていない。
それでも、本人の許可を得られない故人のヌード写真を公開するという行為には強い反発が起きており、4月9日には中止を求めるオンライン署名が立ち上がった。
署名の発信者は、ヌード写真の掲載を「リベンジポルノ」「尊厳を踏みにじる」と批判。「この現状はただのエンターテイメント以上のもので、故人の権利と尊厳を侵害しています。これがまかり通ってしまうと全ての女性アーティストは死後に自分の尊厳が踏みにじられる可能性に怯えながら活動していくことになります」と訴えている。
また、ソーシャルメディアでも、#八代亜紀さんの尊厳を守れ というハッシュタグが作られ、「人の尊厳やモラルの話だ」「同意の取れない故人の裸の写真を特典として封入したベストアルバムを作るなんてことは許されない」「死後に無許可で勝手に裸の写真が公開されるなんてひどいことあってはならない」などの声が投稿されている。
一方、ニューセンチュリーレコードは10日に「週刊誌でも事実では無い事を書かれて非常に迷惑を及ぼされている」とInstagramに反論を掲載。商品を予定通り発売するとした。
同社は写真について「すべての所有権を有している」「全ての権利が当社にある以上どこのどなたのイヤガラセを受けようとも受けて立つ」と主張している。